生まれて初めて迎える誕生日を【初誕生】は、家族にとって特別な記念日です。
日本には、古くから伝わるお祝いの風習がありますが、始めて迎える誕生日にはどのような祝い方があるのでしょうか?
初誕生のお祝いとは?
赤ちゃんが始めて迎える誕生日の事を【初誕生】と言います。
昔の日本の文化では、誕生日を毎年祝うという文化はありませんでした。
しかし、赤ちゃんが生まれて初めての誕生日だけは、盛大にお祝いをしました。
それは、昔の日本は医療技術が発達していなかったので、生後間もなく命を落とす事も珍しくなかったからだとされています。
「一歳を無事に迎える事が出来た喜び」と、「これから自分の脚で独り立ちをしていく赤ちゃんが無事に大きく育ってくれるように」という願いが込められているお祝い事なのです。
初誕生のお祝いはいつするの?
【初誕生】のお祝いは、赤ちゃんが生まれてから始めて迎える誕生日のお祝いのことを言うので、一般的には1歳の誕生日にお祝いをします。
初誕生のお祝いを、祖父母を交えて行う場合は、それぞれの都合などがあるので、赤ちゃんの誕生日前の休日などを利用してお祝いするのが良いでしょう。
初誕生のお祝いは誰がするの?
【初誕生】のお祝いは、誰がするのでしょうか?という問いには、実は正解がありません。なぜなら、地域によって違いがあるからなのです。
「お祝いは母方の実家がする」とする地域や、「子供が男の子ならば父方、女の子なら母方の実家がする」という所もあるようです。
中には、「両家の孫なので折半する」というお家や、「自分たちでする」という方もいらっしゃいます。
地域や風習などがあるので、初誕生を迎えるにあたって、パパとママが各ご両親に確認するのが良いでしょう。
初誕生のお祝いはどこでするの?
始めて迎える【初誕生】のお祝いをする場所は何処が良いでしょう?
初誕生のお祝いは、自宅でしたり、両親のご実家でしたり、神社やお店でしたりと様々あるようです。
しかし、それぞれにメリトやデメリットがあるので、簡単にまとめてみました。
メリット | デメリット | |
自宅でお祝いする場合 | ・赤ちゃんが一番リラックスできる環境 ・費用が比較的抑えられる |
・準備や後片付けが大変 ・祖父母を招く場合、大きな部屋やテーブルが必要 |
ご実家でお祝いする場合 | ・食事などの準備をしなくて良い | ・気を遣う ・赤ちゃんの出かける準備が大変 |
神社でお祝いする場合 | ・ご祈祷をしてもらえる ・広い所でお祝いが出来る |
・赤ちゃんの出かける準備が大変 ・費用が掛かる |
お店でお祝いする場合 | ・準備や後片付けが不要 ・広い部屋や大きなテーブルがある |
・赤ちゃんの出かける準備が大変 ・費用が掛かる |
初誕生のお祝いはどのようにするの?
【初誕生】のお祝いには、普通の誕生日を迎えるお祝いとは別に、その地方独特の慣わしがあるようです。
各地域の古くからの慣わしは、細かい部分の違いはありますが、その中でも多くの地方で行われているものをご紹介します。
一升餅(いっしょうもち)
一升餅は、「一生餅」「誕生餅」「踏み餅」「力餅」など、各地で様々なな呼び名があります。
一升の(1.8Kg)もち米で、出来上がりが約2Kgになる丸い平たいお餅を作ります。
このお餅は「一升」と「一生」をかけて、『この子が一生食べ物に困ることがないように』という願いが込められています。
・立つ…身を立てられる
・座り込む…家を継ぐ、家に居てくれる
・転ぶ…厄落としが出来た
一升餅の大きさや色、形は、地域の慣わしや時代のながれによって、多少の違いはあるようです。
選び取り(えらびとり)
並べるアイテムは、時代や地域によって様々に変化してきています。
アイテムの例
- そろばん・電卓 … 計算得意・商売人になる
- 筆・鉛筆 … 勉強が出来る・画家や文豪になる
- お金 … お金に困らない・お金持ちになる
- 定規 … 几帳面・大きな家を建てる
- ハサミ … 手先が器用・美容師や服飾になる
- 箸・スプーン … 食べ物に困らない・料理人になる
- 本・辞書 … 頭が良い・学者や博士になる
- ボール … 運動神経が良い・スポーツ選手になる
- 楽器 … 音感やリズム感が良い・音楽関係の仕事に就く
などがありますが、全てを用意しなくても良いですし、最近では選び取りのカードがあり、それを選ばせるケースも増えているようです。
勿論、このような風習が無かったり、やらないお家も沢山ありますので、赤ちゃんの初誕生を迎えるにあたって、両家の祖父母などに聞いてみると良いですね。
料理や、ホテルなど初誕生のお祝いをするケースもあります。
その場合は事前の予約が必要ですが、個室などで上記のような一升餅や選び取りが出来るプランも用意しているところもあるので確認して見ましょう。
初誕生のお祝いのお祝いを頂いたら
【初誕生】のお祝いを頂いた場合は、食事会などに招待する事がお返しにあたるため、特にお返しをする必要はありません。
しかし、都合で食事会に来られなかったり、食事会を開かなかった場合には、ささやかなお返しをしても、差し支えありません。
その場合には、頂いた金額の1/3程度が相当とされています。
その際には、お礼の一言に添えて、当日の写真や様子を記したカードと一緒に贈ると良いですね。
最近では、日持ちのする焼き菓子が人気あるそうよ。
初誕生のお祝いのお祝いを贈る時は?
【初誕生】のお祝いは、祖父母と、伯父伯母(叔父叔母)が贈るのが基本的とされています。
しかし、「初誕生のお祝いの気持ちを伝えたい」「この子の成長を近くでお祝いしたい」という気持ちがあれば、誰が贈っても構いません。
初誕生のお祝いを贈る場合は、熨斗袋を使用し、紅白の蝶結びの水引が付いた物を選びましょう。
表書きには『初誕生御祝』や『祝初誕生日』と書き、下段には送り主の名前をフルネームで書きます。
初誕生のお祝いの相場例
- 祖父母 … 10,000~50,000円
- 伯父伯母(叔父叔母)… 5,000~10,000円
- 友人・知人 … 3,000~5000円
相場は、あくまでも目安となりますが、食事会に招かれているのであれば、食事代をプラス10,000円程度一緒に包む方が良いでしょう。
食事会に招かれている場合は当日お祝いを持参しますが、食事会に参加しない場合は、食事会の前日までに届くようにしましょう。
お祝い金以外を贈る場合は、絵本や知育玩具、セカンドシューズといったものが人気がありますが、両親に欲しい物を聞いてみると良いですね
まとめ
赤ちゃんが生まれて初めて迎える誕生日を【初誕生】と言います。
昔の日本は、幼くして命を落とすこも稀では無かったので、赤ちゃんが1歳を無事に迎えた時には、家族や親戚などで盛大にお祝いをしました。
今日では、恵まれた環境により、そのような事は稀になりましたが、一升餅や選び取りなどの様々な風習が、各地で今にまで受け継がれています。
最近では、初誕生のお祝いは、各家庭でする方や、レストランなどでする方、一升餅や選び取りはやらないなど様々ですが、赤ちゃんの1歳を祝う気持ちは皆さん同じですよね。
初誕生のお祝いは、赤ちゃんの体調を見ながら、皆さんで楽しくお祝いしてあげましょう。